今回は、先月26日に発売された「バカと付き合うな」を読んでの感想を記事として紹介したいと思います。
堀江貴文・西野亮廣二人の建前を取り繕うことのないタイトルと同様で本の中身も本質を突く内容で筆者の伝えたいことが分かりやすく表現されています。重要箇所には赤字で表示、一つの教え毎にまとめが用意などの工夫もあり比較的読みやすい本だと思います。
「バカと付き合うな」というタイトルを利用していますが、「バカとは何か」というものが多く描かれています。バカを他人事として判断するだけではなく、自身は悪いバカになっていないか見つめ直すきっかけにもなると感じました。
目次
1.バカと付き合うな
堀江貴文・西野亮廣(著)
この本は、バカというものをテーマに28種類の教えを堀江貴文・西野亮廣が交互に紹介していくという仕様になっています。前半の24種類の教えは、堀江貴文・西野亮廣二人が「悪いバカ」について語ります。
二人とも本質的に伝えたいことは同じで「自分の本当にやりたいことをやって今を生きよう」ということだと私は思います。その本質を伝えるためにそれぞれが工夫した表現が用いられている作品になっていると私は感じました。
1−1.堀江貴文 バカと付き合うな
本書で堀江貴文さんは、「時間」と言うキーワードを通して本質を伝えようとしていると感じました。本書で悪いバカとして多く挙げられるのは、「時間を無駄使いする人」、「人の時間を安易に奪う人」です。私の中で印象に残ったものを記載します。
いろんなルールや課題に、それがどんな意味を持つのか納得していなくても、耐えて我慢するということを刷り込まれる。それがいいことだと刷り込まれる。
結果、それが転じて、耐えて我慢すること自体がいいことだと誤解し始める人がいます。
このように日本では特に時間を献身的に捧げることが美徳化されています。確かに自己犠牲をして相手にメリットがあれば感謝の言葉も述べられるかもしれません。しかし、この言葉を見てみてください。
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?
こちらは、スティーブ・ジョブズの有名な言葉ですがこれを見て行動が変わるようであれば自分の人生を最適に生きることができていないということです。
堀江貴文さんは恐らく死を目前にしても行動が変わらないと思います。好きなことをやり続けているからです。堀江貴文さんの日々はゲームを与えられた子供のようです。楽しいゲームをたくさんしたいから無駄な時間を省き、邪魔をされたら怒る。皆さん同じですよね。
誰もが持っている感覚のはずなんです。それを社会によって間違えて教えられてしまう。本書では、「人生=時間ということを理解しろ。時間を無駄にするバカになるな。時間を奪うバカと付き合うな。もっと本当に楽しいと思うことやれよ。」と言われている気がします。
堀江さんは、「死」について人以上の恐怖感を持っています。そのため、時間というものが有限でありわずかしかないという意識が強くあります。「今の時代、やりたいことをやり通して生きていける我慢していると勿体ないよ。」と本書では伝えてくれているのだと思います。
1−2.西野亮廣 バカと付き合うな
堀江貴文さんは「人生を充実させるためにバカとどう向き合うか」というニュアンスを受けたのに対して、西野亮廣さんは「成功させるためにはバカとどう向き合うか」という内容で本書に多く描かれていたように私としては感じます。
西野亮廣さんが語るバカは「常識に囚われている人」がバカとして多く挙げれていると感じました。
ほとんどの先輩が、ダウンタウンさんみたいな漫才スタイルだった。
…
それを見て、みんながやっているダウンタウンさんのスタイルと真逆のスタイルでいけば勝てるはずだ、と戦略を立てたんですね。
…
お客さんからの見え方は「同じようなスタイルAの9組と、違ったスタイルBの1組」になります。
…
お客さんの中では結局、AとBでどちらの方が面白かったか、という印象になる。つまり、Bになれた時点で勝率を50%まで上げることができる。逆に、Aのスタイルを取るなら、勝率は10%ではなくて、50%の9分の1、つまり5%ちょっとになる。
この文章から見てもロジックが優れていることは明らかだと思います。ただ、最初からロジックが優れていた訳でもないと思います。西野亮廣さんは、若い頃から言葉として背伸びした目標を発言してしまうことで成長せざるを得ない状況を作り出してきました。その積み重ねにより優れたロジックがあるのだと思います。
大抵の人は失敗したくない方が優ってしまい自分に負担がかからずできることのみ取り掛かろうとします。自分の管轄外になると思考停止し、周りに合わせることでその負担を減らそうとするのです。
しかし、この状態を繰り返していても成長することはありません。西野亮廣さんは本書で「バカな自分もいる。そのことを分かっている。その時点で、その人は本当のバカではないんです。」という言葉を残していましたがこの言葉が西野亮廣さんの言葉の中でも最も重要になると思います。
西野亮廣さんの言葉からは、「結局、最初はバカからのスタートなんだから、バカを自覚してどんどん試して行動して失敗を積み重ねて成長できれば成功できるよ。それをしないと成功には近づかないよ。」ということがメッセージ性として込められていると思いました。
自慢話をちょいちょい盛り込むことで有名な西野亮廣さんですが、読者と目線を合わせてくれていて素晴らしい内容だと感じました。
2.二つの<バカ>
「バカと付き合うな」は大きく分けると二部構成になっています。一部は、上記でも記載したように二人が語る「悪いバカ」について。もう一部は二人がお互いを通して語る「良いバカ」についてです。
本章では、「良いバカ」について感じた感想を述べていきたいと思います。この二人はメディアに批判される部分が多く良い部分はユーザーそれぞれが自身で判断するしかありませんでした。私達が見えない部分を見ている他の人は二人をどのように判断しているか分かるためとても面白い内容です。
2−1.堀江貴文が語るバカ「西野亮廣」
堀江貴文さんが語る「西野亮廣」についてですが、とにかく行動力を高く評価しています。
とにかく挑戦し続ける行動力プラス決断する能力も非常に速さもあることから見本にするべきという表現さえ用いています。同じく行動している堀江貴文さんとよく付き合う理由もこの行動力の基準値が近いからなのでしょう。
さらに堀江貴文さんは、西野亮廣さんに対して自分にないものもあると表現さえしています。あまり、記事として書き過ぎるとネタバレが過ぎてしまうので控えます。
とにかく、堀江貴文さんから見る「西野亮廣」とは「人生において重要と判断する行動力が優れ、さらに自分にはないものを持つことで学ぶことができる存在」というようにまとめられるように思いました。
2−2.西野亮廣が語るバカ「堀江貴文」
西野亮廣さんが語る「堀江貴文」については、「人間らしさ」を高く評価しています。
メディアを通して見る「堀江貴文」は、批判をして炎上をして人の気持ちも分からない人間のような表現をされることが多いです。しかし、実際にはとても「人間とは」という部分についてとてもよく理解していると西野亮廣さんは語ります。
確かに、実際に堀江貴文さんの書籍や発言を見るとただ批判するだけではなく根拠があります。その根拠はその生き方をすると本人が悪いバカとして損した人生を送ることになり周りすらも巻き込んでしまうために批判しているものが大半です。
口当たりの良いことだけではなく批判されてもはっきりとメッセージを伝える訳です。このように、近い存在から見ると少々お節介なぐらい世話焼きで面倒見が良くな寛容さがあると表現されています。
3.本だけではないバカ
この二人は今回、書籍でバカを語るだけではなく実際に取り組みとしても「バカ」です。
「バカを買うな」の書籍を100冊購入して手持ちで持っていけば堀江貴文さん、西野亮廣さんがスナックのママをやってくれるのだそうです。
100冊全て手持ちで持つと重さは約30kgです。ここで、デメリットをいつまでも考えていたらできないですよね。ですが、デメリットを考えずに「堀江さんや西野さんに会える」「バカをやれる」など考える人が後先考えずに行えるのです。
結果的に4,000冊が集まったそうです。つまり、40人がバカになり実施したのです。ここで言う40人は正に本書で言われるまさに「良いバカ」ですね。良いバカはこうして集まることでさらに大きいことができるようになります。
4.まとめ
本書を読み、面白い点として堀江貴文さんの本質を突いた表現はある程度想像できていたのですが西野亮廣さんのセンスの良い表現が印象として残っています。
センスという言葉は曖昧ですが、西野亮廣さんの言葉の用い方は芸術的というか普通の人が思い付かない様な表現を用いるのです。にも関わらず妙に納得できる部分もあって芸人さんだからなのか伝え上手だと強く感じました。
内容を通して感じることとしては、二人はどこまでも「良いバカ」ということです。
人間は、つい頭のいい生き方をしようとしてしまいます。頭のいい生き方をすると失敗を減らすことはできるかもしれません。しかし、頭のいい生き方をして何を得ることができるのかという話です。
折角、生を受け生まれてきたのだからただ呼吸をするのではもったいないです。人生を楽しみ有意義に過ごしましょう。人生を有意義にするためには、「悪いバカにならず、悪いバカと付き合わず、良いバカになるのです。」
「良いバカ」になるためにはまず「バカと付き合うな」を購入しましょう。